副業を解禁する企業が増加し、働き方も変化してきたことから、副業としての輸入物販に興味を持つ方も多いのではないでしょうか。
この記事では、「そもそも輸入物販が何なのかわからない」「どうやったら始められるの?」と、疑問をお持ちの初心者の方向けに輸入物販について解説します。参考になる内容となっていますので、ぜひ最後までご覧ください。
輸入物販とは
輸入物販とは、海外から仕入れた商品を日本で販売して利益を得るビジネスのことです。日本で買うよりも海外で買った方が安い場合があるため、そのような商品を輸入して国内販売し、商品価格の差により利益が生まれます。
輸入物販は、仕入れた価格よりも高い価格で売れれば儲けが出ます。ビジネスの流れがシンプルでわかりやすいため、敷居が低く初心者でも始めやすいです。インターネットを使用して商品の仕入れや出品は1人で行うことも可能なため、最低限の人数で始められることも輸入物販のメリットとなります。
反対にデメリットとしては、日々の細かい作業が多いことがあげられます。例えば、商品の仕入れや在庫管理・配送準備・売上管理・市場リサーチなどです。これらを根気強く続けることが、収益を伸ばすために重要となります。
なぜ今、輸入物販が注目を集めているのか
副業としても本業としても人気
輸入物販は、副業としても本業としても人気となっています。その理由は次のようなことがあげられます。
<輸入物販が人気の理由>
①特別なスキルが不要
近年では、プログラミングの知識がなくても簡単にネットショップを構築できるサービスが増加してきました。そして、「安く仕入れて高く売る」というシンプルなビジネスモデルが、初心者も始めやすくなっている理由です。
②実店舗が不要
インターネット環境とパソコンがあれば、誰でもショップを開設できるようになっています。そのため、場所を選ばず始められ、初期投資が比較的少なく済みます。また、Amazonや楽天市場などの大手ECサイトを活用すれば、自分で集客することなく客足がある程度見込めるでしょう。
③自分のペースで運営できる
場所だけでなく時間の縛りもないため、自宅ですきま時間に運営できることも人気の理由です。始めたばかりの頃は慣れるまである程度の時間はかかりますが、軌道に乗ってからは自分のペースで続けることが可能になります。
右肩あがりのEC業界
日本国内のEC業界は、全体的に右肩上がりでどんどん成長を続けています。その理由は、大きく分けて次の3つです。
①スマホでのネットショッピングの増加
2020年には、ECサイト利用者の約半分がスマホでの利用となりました。スマホはパソコンのように起動する手間がかからず、手元で自由に商品が購入できるためです。
また、インフルエンサーが勧める商品が人気を集めており、若年層を中心としたスマホでのECサイト利用がさらに広がると予想されています。
②EC事業者への支援ツールの増加
ECサイト利用者の増加にともない、EC事業者の支援ツールやシステムも増えてきています。例えば、Amazonアカウントを提携すれば、独自のECサイトでも決済情報を入力する手間を省けるなどです。購入がスムーズにできるため、より売り上げを伸ばすことが可能となりました。
③外出自粛による需要増加
2020年始め頃からの流行り病によって外出自粛やリモートワークとなるなど、私たちの生活や働き方が大きく変化しました。自宅で過ごす時間が増えたことにより、ECサイトを利用する人が増加したのです。
状況が落ち着けば需要も鈍化する可能性も考えられますが、これまでECサイトを利用してこなかった層を多く取り入れられたため、今後も成長していく見込みとなっています。
時代と需要に合っているビジネス
インターネットができるのが当たり前となり、EC業界が右肩上がりで今後も成長が見込まれることから、輸入物販はまさに時代と需要にマッチしたビジネスだといえます。
実店舗が不要なため、多額の初期資本も必要ありません。そのため、もしショップ開設後に失敗したとしても最小限のダメージで済むはずです。特に副業として始めたい方に多額の初期投資は負担が大きいため、リスクの低い輸入物販ビジネスがおすすめとなっています。
輸入物販のビジネスモデル
輸入物販には一般的に次の5つのビジネスモデルがあります。それぞれ解説していきます。
①無在庫販売
販売者がオンラインで商品を販売し、購入されてから海外のメーカーや卸売業者に発注する方法です。初期投資が少なく、リスクも低いことがメリットですが、納期の遅れなどのデメリットもあります。
②海外輸入サイトからの輸入販売
すでにEC市場に存在する商品を海外のネットショップから購入し、日本で販売するという方法です。商品の種類や量に応じた柔軟性がある一方で、競合との差別化が難しくなります。
③海外の卸売業者からの輸入販売
既存の商品を海外のメーカーや卸売業者から直接輸入し、日本で販売する方法です。大量購入することで単価の削減ができますが、売れなかった場合の在庫リスクや品質管理問題が生じる可能性があります。
④海外で製造したオリジナル商品の輸入販売
自社ブランドのオリジナル商品を海外の工場で製造し、輸入して日本で販売します。ブランド価値の向上というメリットがありますが、製品の開発や品質管理などのブランド構築には高い専門知識と資金が必要です。
⑤海外で製造したオリジナル商品の国内流通販売
自社製品を海外の工場で製造し、日本の小売業者や実店舗に卸します。幅広い流通ネットワークで販売できますが、流入経路の確立や維持に大きな労力が必要となります。
輸入物販の始め方
輸入販売はどうやって始めたら良いのでしょうか?ここからは、輸入販売を始める基本的な流れを解説していきます。
①販売する商品を探す
最初に、販売する商品を探します。探し方は現地に直接行く方法や、インターネットで探すことも可能です。
海外から商品を輸入するのに特別な資格は不要です。ただし、商品によっては輸入禁止品目のものや許認可が必要になるものもあるため注意しましょう。
<輸入禁止品目>
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指定薬物(医療などの用途で輸入する場合を除く)
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拳銃・小銃・機関銃、これらの銃砲弾や部品など
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爆発物・火薬類
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貨幣・紙幣・銀行券・郵便切手・有価証券などの偽造品など
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公安または風俗を害す書籍・図画・彫刻物などの物品
<許認可が必要な商品>
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化粧品・医薬品
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食品・食器類
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酒類 など
②仕入れ先を決める
仕入れ先と商談し、発注内容などの詳細を決めます。発注する時には、次の点を確認しましょう。
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日本へ輸出できるか
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最低注文数
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見積もり
しっかり確認し、納得ができたら発注を行います。
③税関で輸入通関手続きをする
輸入した商品を受け取るためには、税関で輸入通関手続きをする必要があります。課税総額が20万円以下なら運送業者などが代行してくれますが、20万円を超える場合は自分で手続きしなければなりません。関税などが発生した場合は、配送業者に支払うか、郵便局や銀行で納めます。
④商品の販売準備をする
仕入れが済んだら、販売サイトを選びます。手軽に出店するなら、モール型のECサイトを活用しましょう。モール型だとテンプレートがあるため、初心者でも取り組みやすいです。
自由度を重視するなら、自分でECサイトを作るという方法もあります。しかし、一から自分で作るには知識や技術が必要になり、かなりの手間を要します。サイト作成をサポートしてくれるサービスもあるため、そちらを利用してみると良いでしょう。
⑤税務署に開業届を提出する
輸入販売を事業として行う場合は、税務署に開業届を提出します。開業届は、提出しなくても罰則などは設けられていませんが、青色申告ができたり屋号付き銀行口座を作れたりするメリットがあります。
⑥輸入した商品の支払い方法を決める
海外のサイトから商品を仕入れた際の支払い方法を決めます。支払い方法には、クレジットカードや銀行経由の電信送金などがあります。
輸入物販をはじめるならしっかり準備を!
この記事では、輸入物販について初心者の方向けの基礎知識を解説しました。
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輸入物販とは
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なぜ今、輸入物販が人気なのか。
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輸入物販のビジネスモデル
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輸入物販の始め方
輸入物販はインターネット環境とパソコンがあれば、誰でも始めることが可能です。また時と場所を選ばないため、いつでも作業できる点が人気の理由となっています。
しかし、”簡単”と言われている裏側にも事前準備や基礎知識が必要です。
ネットショップ開設をサポートするシステムなども登場しているため、自分に合った方法で始めてみると良いでしょう。